自律神経は、運動神経・感覚神経と同様に脳・脊髄から分岐した神経の一つの種類です。運動神経・感覚神経とは違い自身の意思とは関係なく動く神経で体の自動調節を行います。 例えば、体が熱くなってくると体温を下げるために汗腺を開いて汗をかきます。逆に寒いときは汗腺を閉じることで体温を奪われないように自動調整します。 心臓の拍動や血圧のコントロール、消化吸収など全てを自動コントロールしてくれています。 自律神経には、交感神経と副交感神経があり活動時には交感神経が優位に、リラックスしている時には副交感神経が優位になっているのが正常な状態です。

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れた状態です。本来リラックスすべき時間に交感神経が働きすぎてしまったり、活動を始める朝などに副交感神経が優位に働きすぎて、体に力が入らない、だるい、フラフラするめまいのような症状が出ることもあります。 原因としては、日常生活での過度なストレスが挙げられます。 ストレスというと、精神的なストレスを想像されることが多いのですが、過労や睡眠不足など肉体的ストレスも重要です。 本来人間はストレスに強く、多少無茶をしても自然治癒力の働きで寝れば翌日には回復できる生き物です。 ただ、現代はストレスになるものが多く存在しています。 添加物の多い食事は消化吸収で体に大きなストレスを引き起こしますし、PCやスマホを長時間見ていると目や首肩、脳へのストレスは計り知れません。 これらのストレスがかかった時に自律神経が自動調整して受け流そうとします。 しかし、慢性的にこのようなストレスがかかると自律神経も疲弊し自動調整がなかなか効かない状態になってきます。 この状態が自律神経失調症です。

病院で自律神経失調症と診断されると、生活習慣の指導や、自律神経調整薬、ホルモン剤、ビタミン剤などを処方されます。 それ以外には、症状に対しての対処療法となります。胃が痛むなら胃薬、頭痛なら頭痛薬といった形で症状を抑える薬が処方されます。 薬は、短期間の使用については不快な症状を抑えてくれるので、症状から引き起こされるストレスが軽減するため場合によっては自律神経失調症自体が改善していく可能性もあります。 しかし、慢性的に長期間飲み続けるのは副作用の影響や、薬への耐性が付いて効かなくなる症状が重くなる、他の症状が出てくる場合もあるため長期間の服用は避けたほうが良いでしょう。 自律神経は、脊髄神経から分岐し全体に分布します。 背骨が歪んだり、動きが悪いところが出来ると自律神経の働きは低下します。 自律神経は、体の自動運動を制御する機関ですのですぐに症状が現れたりはしません。 数週間数カ月、神経の働きが狂った状態で生活し続けることで交感神経、副交感神経のバランスが狂った状態が定着していきます。 背骨の正しい動き、位置に導くことにより自律神経の働きも徐々に改善していきます。 カイロプラクティックでは、症状に目を向けるのではなく、このような背骨の歪みや動きの悪くなった場所を調整することで症状の改善を促していきます。

背骨のズレや動きの悪くなってしまったところをサブラクセーションと言います。 このサブラクセーションが起こると神経の働きが悪くなり、次第に症状となって現れます。 およそ2週間で動きの悪くなった背骨は神経の働きを阻害し始め、サブラクセーションが解消されるまで何年でも続きます。 症状は、体が不調のシグナルとして警告音を挙げている証拠です。 自律神経失調症の症状は、サブラクセーションが起こっている部分の神経支配領域に症状を引き起こします。 胸椎（背中）の真ん中付近にサブラクセーションが出来ると胃もたれや消化不良、慢性的な倦怠感が生じます。 しかし、これらの症状は病院で検査をしても病気ではないため見落とされてしまいます。そして、自律神経失調症という病名が付いてしまうのです。 カイロプラクティックでは、このサブラクセーションが無くなった状態を健康な状態と定義しています。 病院で異常なしや原因不明と言われる不調、自律神経失調症などもサブラクセーションが生じて神経の働きが悪くなった状態を放置してしまったがために出てきている症状です。 カイロプラクティックでは、特定の症状を取り除くのではなくサブラクセーションを解消することで自然治癒力を高め不調が改善する体の状況を作っていきます。